2016年8月21日 (仮訳)一見類似した2種の痂状地衣、Gregorella humida/Moelleropsis nebulosa、および地衣生菌の新種Llimoniella gregorellaeの記載 Vondrák, J. et al., 2013. Two superficially similar lichen crusts, Gregorella humida and Moelleropsis nebulosa, and a description of the new lichenicolous fungus Llimoniella gregorellae. Herzogia. Available at: http://www.bioone.org/doi/abs/10.13158/heia.26.1.2013.31 [Accessed August 20, 2016]. 【R3-03221】2016/08/21投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 不稔または子器の発達が乏しい時に識別困難Gregorella humidaおよびMoelleropsis nebulosaの2種について、信頼性の高い識別形質を検討した。 両種のNostoc属共生藻は形態的に類似していたが、属内で近縁ではなく、生態的にも両種の基質の酸性度や共に発生するコケ類・地衣類に差異を認めた。 この2種および類似種を含む検索表を掲載した。 Czech Republic. South Bohemia: Týn nad Vltavou, Temelín, at railway between Temelín and nuclear power-plant ‘Temelín’ (新種) Llimoniella gregorellae Kocourk. & Vondrák 語源…Gregorella属の 【よく似た種との区別】 Llimoniella terricola 藍藻地衣を宿主とする 本種と異なりGregorella humidaではなくヘッピア科地衣を宿主とする 本種と異なり宿主に損傷を与えない 本種より子嚢果のサイズが大きい 本種と異なり果殻がK+紫色でない 本種より子嚢が長い 本種より側糸の幅がやや広い Llimoniella heppiae 藍藻地衣を宿主とする 本種と異なりGregorella humidaではなくヘッピア科地衣を宿主とする 本種と異なり宿主に損傷を与えない 本種より子実上層が暗色 本種より子嚢胞子が長い 本種より側糸の先端の幅が広い (その他掲載種) Gregorella humida (Kullh.) Lumbsch 【よく似た種との区別】 Moelleropsis nebulosa チェコなどヨーロッパに分布する 不稔あるいは子器の発達が乏しい時に形態的に類似している 子嚢がアミロイドの鞘に包まれる 地衣成分を欠く 本種と異なり有機質の乏しい基質ではなくミネラルまたは腐植に富んだ基質に発生する 本種より酸性の基質に発生する 本種と同時に発生する地衣類やコケ類が異なる 本種と異なり撹乱を好むのではなくそれに対する耐性が低い可能性がある 本種より子器が暗褐色ではなく淡褐色であることが多い 本種より子器の直径が大きい 本種と異なり子器が扁平または凸形ではなくいくぶん扁平 本種と異なり果殻が欠くか不明瞭なのではなく良好に発達する 本種と異なり果托を欠くのではなく子器が老成した際に有することがある 本種と異なり子嚢のトーラスが非アミロイドではなくアミロイド 本種より子嚢胞子が長い 本種より子嚢胞子の幅が狭い 本種より子嚢胞子のQ値が大きい 本種と異なり子嚢胞子が広楕円形など様々なのではなく楕円形 本種と異なり側糸が凝集しているという特徴を欠く 本種と異なりゴニオシストが異形菌糸組織ではなく短い菌糸からなる 本種と異なりゴニオシストが共生藻の粘液質の鞘に完全に包まれるのではなく部分的にしか包まれない 本種と共生藻の系統が異なる (その他掲載種) Moelleropsis nebulosa (Hoffm.) Gyeln. 【よく似た種との区別】 Gregorella humida チェコなどヨーロッパに分布する 不稔あるいは子器の発達が乏しい時に形態的に類似している 子嚢がアミロイドの鞘に包まれる 地衣成分を欠く 本種と異なりミネラルまたは腐植に富んだ基質ではなく有機質の乏しい基質に発生する 本種より塩基性の基質に発生する 本種と同時に発生する地衣類やコケ類が異なる 本種と異なり撹乱をに対する耐性が低い可能性があるのではなくそれを好む 本種より子器が淡褐色ではなく暗褐色であることが多い 本種より子器の直径が小さい 本種と異なり子器がいくぶん扁平ではなく扁平または凸形 本種と異なり果殻が良好に発達するのではなく欠くか不明瞭 本種と異なり果托を子器が老成した際に有することがあるのではなく欠く 本種と異なり子嚢のトーラスがアミロイドではなく非アミロイド 本種より子嚢胞子が短い 本種より子嚢胞子の幅が広い 本種より子嚢胞子のQ値が小さい 本種と異なり子嚢胞子が楕円形ではなく広楕円形など様々 本種と異なり側糸が凝集している 本種と異なりゴニオシストが短い菌糸ではなく異形菌糸組織からなる 本種と異なりゴニオシストが共生藻の粘液質の鞘に部分的にしか包まれないのではなく完全に包まれる 本種と共生藻の系統が異なる